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--5. 日常用語の使い方--

話し言葉と書き言葉

話し言葉と書き言葉の比較
人は話すことより先に聞くことで育つ。
乳児のときから音に反応し、母親の愛情をあやし言葉で肌に感じてきた。
幼児になって周囲の者の話していること、自分に向かって語りかけていることから言葉を学ぶ(歴史的にも話し言葉 はずっと古く50万年くらい前から存在しているといわれている)。
人間の言語は話 し言葉が主体である。
つねに話し言葉を基準として考えてきたが、後年になって文 字が発達し書き言葉が生まれた。
書き言葉は、言葉を保存じ伝達できる大きな力を もってきた。
話し言葉は思ったことをそのまま文にして表すのに対して、書き言葉は書くまで に頭のなかで考えてあれこれ修正を加えてから書くことができる。
学問も正確な知識を得たのは、話し言葉ではなくて書き言葉からである。
本を読 んだり、論文で調べたり、雑誌をひもといているうちに、この書き言葉のなかから 深い知識を得ている。
話し言葉で得るのは講義や実験の説明からが多いが、大半が 書き言葉から入ってきているので、日常での会話が外国人ほどうまくなっていない。
また、文章が美しいという場合と話し方が美しいという場合では、そのもつ性質 が異なる。
書き言葉は、語句の使い方が上手であると人を感動させる内容が表せ て、美しいと思わせる。
話し言葉は、下品な言葉や悪意に満ちた言葉を使わないと しても、同じ言葉を使って話した場合、その人の話し方や言葉の調子、そして話す 人と聞く人の関係、その場の雰囲気などによって、美しいと思う場合と、反対に嫌な感じを与えるときがある。


書き言葉
近ごろでは電話による伝達が多くなったが、社会のなかではまだまだ書くこと が伝達の主流をなしている。
それは文字として表され、パソコン等であとまで 文章が残るからでる。
たとえば会議の議事録をまとめるとか、届けを役所に出すと か、上司に対してあるうかがいを書くなどの場合には文章表現になるので、書き手 の教養や力量がかなり影響してくる。
手紙や届けを書くときには書き言葉としての決まりがある。しっかり押さえておこう。


書くこと
文章を書くには、まず第一に気持ちが平静であることが望ましい。
書きあげた ら声に出して読んでみる。
できたら数日おいて気持ちが平静になっているときがよ い。
自分の気持ちが平静であれば、冷静な目で文章を読むことができる。
(1)文章はできるだけわかりやすく書く
言葉は自分の思っていることを相手に伝える手段であるので、できるだけやさし くわかりやすく書くほうがよい。
(2)主題を先に書く
主とした目的を先に書く。
(3)文章は短く区切る
(4)修飾旬を長くしない
(5)適切な用語を選ぶ


聞くこと・話すこと

聞くことと話すことは、実際に関連し合っているので、切り離して考えるべきで はない。
聞くということで相手のいっていることを理解し受容する。
話すというこ とで相手に自分の思っていることを伝達し、自分の気持ちを表現する。
1)積極的に聞く姿勢
私たちの日常生活ではつねにいろいろな音が聞こえてくる。
人の話し声を聞くこ とも1日の生活のなかで占める比重が大きい。
また社会生活、言語活動を行ってい くうえでも聞くことは重要な位置を占めている。
現代っ子は「ながら族」といわれ るように、物事をするときになにかを聞きながら行う。
そのことに集中する態度を とらない者が多い。
聞こえる状態から積極的に聞こうとする態度をつくるようにし たいものである。
2)注意深く聞く姿勢
言葉は一過性のものであるので、発語したときから消失していく運命にある。
そ れだけに聞いたときにすぐ理解できなければ言葉としての用をなさない。
聞くとき には、読むこと以上の集中力と緊張感が必要とされる。
注意して聞く姿勢を養うこ とが教育として望まれる。
3)話の流れをつかむ姿勢
話は話し手の話し方によって軽重がある。
話の要点、 目的、主の部分と従の部分 などを聞き分けるなど、話の流れをよくくんで、意図するところをとらえる力が必 要である。
4)話し手のことを考慮に入れる姿勢
話すということは互いに言葉をやりとりして、相手との話の場に入っていくこと である。
共感したり批半Jしたりしながら仲間に加わっていくことである。
そのこと が社会の輪のなかに入っていくことになる。
他人の話をできるだけわかろうとする 姿勢、無心になって相手の話を聞き、受け入れ、共感できるように努めるとよい。
聞くことによって、新しい情報、広い知識、豊かな経験などが増え、自分の考えを まとめたり思考をこらしたり、自分で物事を考える喜びを満たすことができる。

聞くこと
1)積極的に聞く姿勢
私たちの日常生活ではつねにいろいろな音が聞こえてくる。
人の話し声を聞くこ とも1日の生活のなかで占める比重が大きい。
また社会生活、言語活動を行ってい くうえでも聞くことは重要な位置を占めている。
現代っ子は「ながら族」といわれ るように、物事をするときになにかを聞きながら行う。
そのことに集中する態度を とらない者が多い。
聞こえる状態から積極的に聞こうとする態度をつくるようにし たいものである。
2)注意深く聞く姿勢
言葉は一過性のものであるので、発語したときから消失していく運命にある。
そ れだけに聞いたときにすぐ理解できなければ言葉としての用をなさない。
聞くとき には、読むこと以上の集中力と緊張感が必要とされる。
注意して聞く姿勢を養うこ とが教育として望まれる。
3)話の流れをつかむ姿勢
話は話し手の話し方によって軽重がある。
話の要点、 目的、主の部分と従の部分 などを聞き分けるなど、話の流れをよくくんで、意図するところをとらえる力が必 要である。
4)話し手のことを考慮に入れる姿勢 話すということは互いに言葉をやりとりして、相手との話の場に入っていくこと である。
共感したり批半Jしたりしながら仲間に加わっていくことである。
そのこと が社会の輪のなかに入っていくことになる。
他人の話をできるだけわかろうとする 姿勢、無心になって相手の話を聞き、受け入れ、共感できるように努めるとよい。
聞くことによって、新しい情報、広い知識、豊かな経験などが増え、自分の考えを まとめたり思考をこらしたり、自分で物事を考える喜びを満たすことができる。


話すこと
情報化社会のなかでは、「話すこと」の比重が高くなっている。
種々の場面で、 いろいろな人を相手に話すという形でコミュニケートをとらなければならなくなっ てきた。
自分の考えを自分の言葉で話すことの重要性を直視せざるをえない。
朝日 覚めたときから親・兄弟への挨拶、食事時の挨拶、友人との学校での語らい、部活 動や塾での先輩や先生とのやりとり、学生生活の小さな世界のなかにも話すことを 通しての社会性や文化性を養う営みがある。
1)話の種類
(1)一方話
話し手と聞き手があって、一方から一方へ向けて話される形のものである。
スピーチ、報告、講演など (2)相対話
話し手と聞き手が交互に会話をすることである。
問答、討論、会議など
2)話す能力
(1)話題・内容
なにをどう話すかということになる。
話には真実性(本当のこと)、独自性(自 分だけのもの)、価値性(なんらかの価値のあるもの)、必然性(その話の必要性) が入っているものがよい。
話す能力を高めるためには、人の話をよく聞くという基 盤が必要である。
(2)話の構成
「はじめ/なか/おわり」というように、話の組み立てを意識し、話全体の構造や 広がりを聞き手にわからせる。
(3)言い表し方 正確でわかりやすい表現を用いる。
比較的短い文章を重ね合わせて話す。
自分の 言葉で話すと疲れない。
(4)発音
明瞭な発音ができるように、日常気をつけて話すことが大切である。
場に応じた 声量で話す姿勢を養うとよい。
3)上手な話し方
(1)正しく話す 相手に信頼されるように事実を話す。
適当な敬語を正しく使う。
次のような流行 語は定着するまでは使わない。
1.ら抜き言葉。
「起きれる」「食べれる」 2.「ウソ」「ホント」。
あいづちの言葉として連発する。
3.「トカ」。
本来は「・・・ トカ・・・トカ」という並列の意味で用いるか、または 人に伝えるのに不確かなこと、曖昧なことをいうときに使う用語である。
若い 人は「・・・と」「・・・を」「・・・が」に代わって「とか」を用いる。
4.「やつ」。
「この問いってたやつ」というのを耳にするが、「やつ」という言葉 は人や物を舌L暴にののしっていう下品な言葉であった。
5.「わりかし」「ぴったし」「そうかもねJ「よくいうよ」「いまいち」「すごー い」「ガンバ」「すごーっく楽しいという感じ」。
学生言葉である。
会話のテンポは早いが、なんとなく言葉が貧しいような感じがする。
6.「あっそうか」。
上司や先輩の前でいっては失礼になる。
7.つくりかえた言葉
「漢字+する」の形の動詞を舌し用しないようにしたい。
(2)わかりやすく話す
自分だけがわかっているだけでは用は足せない。
相手に自分のいっていることが 理解できているかどうかをたえず考えながら、わかりやすいいい方で話す。
こんな ことは当然知っているはずだという思い込みをしてはならない。
(3)肯定的に話す
「あなたのおっしゃることは、 もっともです」、「あなたのお話、お気持ちはよく わかります」と相手の話を認める。
「でも、このようにも考えられますが・…・・」、 「しかし、このようにみた場合はいかがでしょうか」と自分の考えや意見を話して みる。
まず、相手を受け入れることをつねに心がけたい。
(4)明るく話す
人に希望を与えるような明るい話し方がよい。
ぐちっぱい話や暗い話は聞いてい てつらく不快になる。
ユーモアを適当に入れて話すとよい。
(5)表情や態度も会話に一役かっている
にこやかな表情や誠実な態度、そして上手なリズムと間のとり方。
ときには手ぶ り、身ぶりも加えて話をもりたてる。
(6)共通の場で話す
言葉遣いもていねいで、発音も悪くないのになんとなく相手にうまく通じないの は、本題に入るまでの挨拶的な表現、前置きがない場合が多い。
話し手と相手が共 通の場をもつことを目的とした話し合いにうまく入れないということである。
相手 の話し方に適当にあいづちをうつというのも日本人の話し方の特徴である。
ひとこ と話しかけては相手の同感や理解を確認しながら話を進めるという形が好まれる。
いいかえると、相手と一緒の場で対話するという形でその時間をうまく共有したい のである。


言葉を美しく、豊かにする
言葉はなんの目的で使われるのかということに対していろいろな判断をし、さらにその場の雰囲気がうまく合ったときに「美しい」ものになる。
京都の人が京言葉で、津軽の人が津軽弁で素朴にしゃべるのは美しい。
言葉に深く接触している有識者たちの意見によると、「美しい言葉は話す人の美 しさである。
話す人に愛情や誠実さがあるかどうかが問題であるJという観点から 話す人の人格、態度を取り上げたものが多かった。
1)言葉を豊かにする
言葉を豊かにするためには、語いを多くもつことが望まれる。
多くの人との交わ りから、 また新聞、ラジオ、テレビ、観劇、本などから知識を得て、まず自分の感 性を磨くことが肝要である。
それが人との交わりをより深く、広くする第一の条件 となる。
芸術的なセンスも貯え、語いを豊富にして物をみる目を養い、教養を積み 上げていく。
そのためには自分の家庭生活、日常生活を大切にする人にならなけれ ばならない。
日常生活のなかでの言葉を大切にして「あの人の物のいい方は美しい な、いいお話だな」と聞いている人に感じさせるようになりたいものである。
たとえその人の話し方がとつとつとした話し方であっても、誠実さが表れていれ ば、人はそこに美しさを感じるのではないであろうか。
2)ひとこと言葉をそえる
高齢者に優しくするのは、人として当たり前のことであるが、世のなかで数多く 見聞きするのは高齢者の不服の場合のほうが多い。
息子が冷たいとか、嫁がきついとかいうのを聞くのは悲しいが、言葉が足りない場合が多いのではないかという感 じがする。
「ご飯です」というだけではなくて、「お待ちどおさまでした。
今日はお 父さんのお好きなまぐろのおさしみですよ」と、ひとこと言葉をそえればとても料 理がおいしそうにみえて、うれしくなるものである。
この心の言葉ともいえるひと ことが大変少ないために、コミュニケーションの成立を困難にしている。
心の言葉 をもつためには余裕と感謝が必要である。
あまりにも忙しい生活や複雑な人間関係のなかでは、自分も相手もつい見失いが ちである。
要は相手へのいたわりや感謝の心がこもっているかどうかではないであ ろうか。